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赤かぶの栽培の歴史は古く、後白河天皇の第二皇子の以仁王(もちひと)が潜行の際にここ舘岩村にも滞在し、手厚くもてなしてくれた村人への謝礼にと「これを蒔いてください。」と、種子をおいていかれたのが始まりと伝えられています。また、この赤かぶは、舘岩村でしか赤く育たないという不思議なかぶでもあります。
赤かぶは、一週間ほど茎とともに塩漬けした後、酢漬けにすると、白身が赤く染まり歯ごたえの良い、“即漬け”が出来上がります。また、赤かぶは、先人の命と健康を支えてきた貴重な食べ物であり、伝統的な食べ方として、かぶ飯・かぶ練りなど数多く伝承されています。

昔木地師達は、山仕事を始める前に山の神へ“ばんでい餅”を供え、作業の安全を祈願していました。その作り方は、まずブナの木を柾目に切った盤台をヨキで長方形に削り込んで即席の臼を、杵をミツメの木で作りました。そしてうるち米を炊き、その臼と杵でついてできた餅が、「盤台(ばんでい)餅」です。名前の由来は、この即席盤台から作るためだといわれています。
ばんでい餅は、串に刺し、じゅうねん味噌を塗り炭火で焼いて食べます。味は、うるち米のあっさりとした食感でじゅうねん味噌の香ばしさが食欲を誘います。

舘岩村は多くの清流があり、岩魚の里ともいわれ、また岩魚はかつて、動物性蛋白源として貴重な川の幸でもありました。
岩魚は、塩焼きで食べるのが風味を味わうのに最も適していますが、他に刺身・唐揚・甘露煮などの食し方があります。また、焼いた岩魚に熱燗を注ぎ、岩魚の風味とともにいただく【岩魚の骨酒】は、まさに“岩魚の里・舘岩”ならではの味です。

そばの栽培に適した標高600mから1,000mの山間に位置するここ舘岩村では、古くからそばの栽培が盛んに行われており、その食べ方も裁ちそばの他に、やきもち・でんがく・すいとんなど数多くあります。なかでも裁ちそばは、かつて婚礼の時などにのみ、もてなしの食として作られる最大級のご馳走であり、ヤマドリやシメジをつかったかけそばが一般的な食し方でした。
打ったそばを幾重にも重ね、布地を裁つように切ることから“裁ちそば”といわれていますが、「裁縫とそば打ちのできぬ者は、嫁にもいけぬ」と云われたように、以前は花嫁修業に欠かせないことでした。そのため、現在もそば打ち名人の大半は、経験豊かな女性の方が多いようです。
この裁ちそばは、前沢ふるさと公園にあるそば処「曲家」で味わうことが出来ます。

はっとうは、そば粉を良く練って延ばし、菱形や丸く切ったものを茹でたものに、じゅうねんやキナコをつけて食べます。

つむづかりは初午の時に稲荷様に供えるもので、大根おろしに鮭(マス)の頭・コンブ・打ち豆・ニンジンなどを入れて良く煮こみます。
この節の保存食として今も食されています。

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